今回は、計画段階初期でもっとも大事な、「お金ってどう工面するんですか」問題について書きたいと思います。
自分の状況を確認する
私たちのプロジェクトは、劇場公開を前提にした商業映画ではなく、あくまでも自主制作映画なので、それを踏まえてのお話になります。
さて、映画のための資金調達方法をネットで調べたり人に聞いたりしてなんとなくわかったのですが、「自分がいまどのような状況なのか?」を確認すると、おのずと「この状況ならこの方法でやるしかないな」が見えてくると思います。(当たり前か・・・)
確認事項はこんな感じです。
どのカテゴリにいくつ〇がつくかで、調達方法を検討するとよいかと思います。
全部に〇がつく方は、どんな方法でも可能です!笑 ただ、そういうケースは少ないと思います。ので・・・
「実績」に〇がつく→C
「知名度」に〇がつく→B
「ビジネス」に〇がつく→D
のように考えていく必要があります。私たちの場合は、「スキル〇」「人徳〇」「実績」と「知名度」に1つ〇をつけてもよいのかな・・・という結果だったので、A&Bしかないという結果になりました。
企画書を用意しスポンサーや出資してくれそうな方に話をすることも試みてみましたが、うまくいきませんでした。
実績がない、かつ映画という投資リスク商品(企画や脚本だけでROIを正しく見定められるか?・・・無理!)なので、当然と言えば当然ですよね。
プロジェクトで達成したいことは何か?を明確にする
上記に加えて、作り手がプロジェクトをやる上で何を達成したいか?が明確になっているとより調達もしやすくなります。
ここが曖昧だと、予算組みも適当になるし、出資依頼の企画書作りの際も熱意が伝わりにくいと思います。
私たちの場合は、
- 長編映画
- 自主制作だけど、高品質なデリバリ
- 国際映画祭に出品するため、グローバル対応(字幕)
- 音楽はオリジナル
が具体的に決まっていました。つまり、結構お金がいるということです・・・。A&Bで考えていましたが、「知名度」に関しては自らの知名度がそこまであるわけではないので△、やはりAでがんばるしかないよね、という結論に至りました。
私たちが恵まれていた点
監督である夫が「映画をつくる」という確固たる夢を持ち続けていたため、割と真面目に貯蓄していました。
また、自分1人でも撮影をできるくらいの機材もこつこつと買い揃えていたし、撮影や編集のスキルも地道に勉強していました。
さらに、クラファンをやってみて、応援してくれる友人・知人がたくさんいることがわかったことも嬉しい驚きでした。家族や親戚も、文句もいわず応援してくれて嬉しかったですね。
なので、手持ちのアセットを総動員してみんなに少しずつ協力してもらえればできるかな?という感覚がありました。
結論として・・・
自主制作映画を、特に若い方が作るというのは、本当に大変だと思います。前出の表にある条件をすべて満たすような方はほとんどいないのではないでしょうか。
結論として、
- 稼げるときに稼いでお金を貯めておく
- 専門分野に限らず、色々と手を出して勉強しておく
- 周りに人に親切にすることを心掛け、”良いやつ”でいる
が、コネを作るために業界経験を積んだり、助成金に応募したりするより、自分の好きなように映画制作をするには早道なのでは?と感じています。